アルムナイの皆さんに聞いた「スキルアップ」のリアル

NTTグループを退職後も活躍を続けるアルムナイの皆さん。多忙な日々の中でも、スキルアップのための勉強や活動に取り組んでいる方が多くいらっしゃいます。そこで今回は、皆さんがどのようなスキルアップに取り組んでいるか、アンケートを実施しました。まずは、現在・過去に取り組んでいたスキルアップ活動から。結果は以下のようになりました。

一番多かったのは「語学の勉強」。そして、同率で「資格取得の勉強」、「書籍や雑誌の購読」、「インターネットやSNSでの情報収集」が続きます。これらを通して、どのようなスキルアップを図っているのか。また、事務局が気になった個性的な取り組みについても個別に聞いてみました。それぞれ詳しくご紹介していきます。

目次

鉄板の「英語」

今回一番多く挙がった項目は「語学の勉強」でした。その中でも、皆さんが取り組んでいらっしゃるのは、やはり英語。仕事のグローバルプロジェクトや海外出張をきっかけに英会話を始めたという声が多く挙がりました。中には一度英語を使う業務から離れたものの、転職後に再び英語を使う機会に恵まれたという方も。やはりアルムナイの皆さんのビジネス領域はグローバルとの関連性が高く、結果的に学びが活かされる可能性が高そうです。

オンライン英会話教室を活用しているという方も多く、忙しい中でも効率的に学ぶ工夫をしていることが伺えました。

また日常業務で英語を使う傍ら、TOEIC受験に向けた勉強を行っているという方も。インプットとアウトプットを繰り返せるため、英語力向上を日々実感できていると語っておられました。日常的にこのサイクルが回せるようになると、上達も早そうです。

資格取得を通じた知識の強化・更新

資格取得を通して、知識の強化やアップデートに取り組んでいるという方もいらっしゃいました。取得した/取得を目指している資格としては「IRプランナー」、「サステナビリティ・オフィサー」、「証券アナリスト」、「Anaplanモデルビルダー」、「中小企業診断士」、「簿記二級」、「ECO検定」、「マルチメディア検定」等が挙がりました。  

ご存じの方もいらっしゃると思いますが、以上の資格の概要についていくつかご紹介します。


IRプランナー:日本IRプランナーズ協会が主催する、IR業務全般に必要な知識とスキルを証明するための資格。試験科目は資本市場、企業分析、情報開示とIR活動、総合問題(レポート)の4つ。基礎コースであるCIRPと、上級コースであるCIRP-Sの2種類がある。 

サステナビリティ・オフィサー :一般社団法人金融財政事情研究会が主催する、ビジネスパーソンに求められるサステナビリティに関する知識を証明するための資格。試験科目はSDGs・ESG・サステナビリティの基礎知識、企業のサステナビリティ活動、サステナビリティと金融、実践事例問題の4つ。

Anaplanモデルビルダー : Anaplan社の認定資格で、Anaplanの導入にあたって、要件に合わせた最適なモデル構築を行い、かつ使いこなせることを証明できる資格。  
※Anaplanとは、FP&Aや営業、サプライチェーン、人事、マーケティングなど多岐にわたる分野をカバーする、データを軸にしたビジネスシナリオプランニングと分析を行うためのAI搭載プラットフォーム。 

IRプランナーや証券アナリストといった財務系の資格に挑戦された方は、資格取得に向けた学びの中で、財務諸表分析、企業価値評価といった財務実務に関する知識はもちろん、効率性、収益性、成長性等のより投資家に近い視点が身に付き、財務数値を多面的かつ長期的に捉えられるようになったそうです。

また、サステナビリティ・オフィサーに関しては財務に関する資格ではありませんが、ESG対応が重要性を増す中で、必要性を感じて取得されたとのこと。Anaplanモデルビルダーは、現在コンサルタントの方が、本質的な課題解決のための実務スキルを身に着けるために取得されたとおっしゃっていました。

財務・非財務問わず、多角的な知識やスキルを習得することで、仕事の幅と深みが増していくことを再認識させられます。

独立後に活かせる「WEB制作スキル」

起業にあたってコーポレートサイトを自作するべく、HTMLなどのWEB制作スキルや、デザインや動画編集といったクリエイティブスキルを独学で身に付けたという方もいらっしゃいました。

WEBサイトを自作できると、外部の制作会社に依頼した場合にかかる費用が節約できるほか、情報更新も随時、自分自身で行えます。さらに、アクセス解析やユーザー分析の結果をふまえて、バナーや動画といった広告素材を数種類作ってA/Bテストする……といったWEBマーケティングも自身で行うことができ、業績拡大にもつながるなど、メリットは多岐にわたります。

最近はデザイン制作ツールや動画編集ソフトも進化を遂げ、簡単かつ直感的な操作が可能になってきています。一昔前よりも取り組みやすくなっていますので、今後起業や副業を検討している方は、挑戦してみても良いかもしれません。

「出版企画」に取り組むアルムナイも

本アンケート結果で驚いたのが、出版企画に取り組んでいるという方の声です。元々愛用していたスケジュール帳が廃盤になったことをきっかけに、自らビジネスパーソン向けの日記を企画。戦略コンサルティング企業と共同でプロジェクトを立ち上げ、現在出版に向けて準備中とのことでした。

「企画立案力」はもちろんのこと、類似商品を分析して模倣すべき点と差別化すべき点を明確化する「競合分析力」。また、SNSの声からニーズを把握して、製品コンセプトや販売時期に反映させる「顧客分析力」。ターゲット層に、それぞれの媒体に適した方法で、くまなく情報を届ける「プロモーション力」が習得できていると感じていらっしゃるそう。

ゼロからプロダクトを作り上げて売り抜くには、多角的なスキルが必要であることを改めて実感すると同時に、これまでの業務とはまったく畑違いのプロジェクトに挑戦していこうとする姿勢に感銘を受けました。発売が楽しみですね。

スキルアップには「アウトプット」が不可欠

皆さん目的や内容は様々でしたが、目標に向かってスキルアップを続けている様子が印象的でした。

どんな内容においてもインプットだけではなく、学びをアウトプットする機会を設けることで成長が実感できるのだということ。成長を実感できるからこそ、学びが継続するのだということを改めて思い知らされます。ご多忙にも関わらず本アンケートにご協力くださった皆様、ありがとうございました。

交流会などの機会を活用して、ぜひまた皆さんのスキルアップについてお伺いできればと思っています。また、アルムナイについて知りたい情報があれば、ぜひ事務局までお寄せください。皆さんからのご意見をお待ちしております。

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